京都伏見稲荷大社:癒しの神社でパワースポットを体感しよう #1

伏見稲荷大社は、京都市の伏見区深草に存在する歴史の深い神社です。
京都で一番のパワースポットとも称される伏見稲荷大社は、
2025年初詣参拝者ランキング第三位、277万人の人が訪れる大人気の神社です。
なぜ伏見稲荷大社はこんなに多くの人を惹きつけるのでしょう?
この記事では御利益のあるスポットについてご紹介します。

目次

おやま巡りツアー

伏見稲荷大社は背後に稲荷山を擁していて、山を一周するお参りを「お山めぐり」と呼んでいます。
本日のツアーではパワースポットを巡りましょう。
「七神蹟」と呼ばれる聖地へまでご案内します。強力なご利益があるといわれ、聖地巡礼に訪れる人は年々増えているようです。

ツアー行程

10:00 JR稲荷駅前でミート
10:00-10:30 千本鳥居から奥社奉拝所
10:30-11:00 根上りの松~こだま池
11:00-11:30 三ツ辻~四ツ辻
11:30 ランチタイム
12:30-13:00 お山参り
14:00  ティータイム
15:00 本殿で解散

個人の歩くペースにもよりますが、本殿から山頂まで往復すると2時間ほど
階段が多いので、このツアーでは途中休憩を取り、お話をしながら参ります。
真冬でも水分補給はしっかりと行ってくださいね。 

なぜ伏見稲荷大社はパワースポット?

1. 御利益がいっぱい

伏見稲荷大社のご祭神は、五柱の神さまで本殿に祀られています。
伏見稲荷大社の境内には他にも主祭神に縁のある神様、それ以外の神様が祀られている摂社、末社があります。
伏見稲荷大社を訪ねるだけで、多くの神様からのエネルギーを感じます。
商売繁昌・五穀豊穣の神様として、篤い信仰を集める伏見稲荷大社ですが、安産や、万病平癒、学業成就などの祈願に訪れる人々が後をたちません。

五穀豊穣

伏見稲荷大社の名前には、古代から続く地域の特徴と人々の願いが込められています。
まず、「伏見」という名称は、この神社が位置するエリアの名前に由来します。
実は、昔の伏見は「伏水(ふしみ)」と書かれており、この地域が水の豊かな土地であったことを
表しています。
豊富な水源を持つ伏見は、現在でも日本酒の名産地として知られていますが、その背景にはこの
「伏水」の存在が大きく関係しているのです。

水が豊かな土地である伏見は、稲作にも非常に適していました。
古代の人々にとって、五穀豊穣を願うこと極めて重要な祈りでした。
この祈りが「稲荷(いなり)」という言葉に表されています。
「稲荷」とは、「稲が生る(なる)」という意味を持ち、農業と豊穣の象徴として神聖視されて
きました。

「五穀」とはイネ(米)、ムギ、アワ、キビ、マメなどの穀物を指しており、五穀豊穣は伏見稲荷大社の主な御利益です。

商売繁昌

しかしながら、現代は五穀豊穣から広大解釈され、「穀物が豊かに実るように商売も実らせてくれる」との考え方から、「商売繁盛」も伏見稲荷大社を代表するご利益です。
繁栄のご神徳があるため、商売と事業の繁昌、事業所と従業員の安全と幅広いご利益が期待できます。そのため、毎年参拝している有名企業の社長なども少なくありません。
年始めには多くの企業の参拝者が訪れ、ご祈祷を受ける姿が見られます。
御利益を受けるには、伏見稲荷大奥社限定の開運特別御守りや、福銭守りなどがあります。

交通安全

伏見稲荷の祭神である佐田彦大神は、交通安全・道中安全の神とされています。
そのため伏見稲荷は、ドライブが趣味の方や、新しく車を購入した方などからの参拝も人気です。

また伏見稲荷大社では車のお祓いもされています。
車のお祓い場所に外国人のお客様をお連れすると、非常に驚かれます。
車を購入した際や、もし何か車に悪いことが起こってしまった場合のお祓いをするという風習に
日本人の心を感じていただいています。

交通安全の御利益を受けたい方は、伏見稲荷の社務所では車体用の交通安全お守りはもちろん、持ち歩く用(自転車・肌身用)の交通安全お守りもあります。

その他の御利益

二ノ鳥居を超えると楼門があります。これは豊臣秀吉が寄進したもの。
豊臣秀吉は母親の病気が治るように伏見稲荷大社に祈願し、その願いが叶いました。
伏見稲荷の神様はどのような願いも叶える万能な神様だといえるでしょう。

私はここを訪ねるときはいつもゲスト様の道中のご無事を願っています。


2.力強い五柱のご祭神

伏見稲荷に祀られているのは五柱のご祭神で歴史があります。
どのような神様が祀られているのかを知っておくと、ご利益の内容にもつながってきますので、参拝するときに役に立ちます。

宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)

伏見稲荷の主祭神で、本殿の下社(中央座)に祀られています。
伏見稲荷大社では稲の神様から転じて「お稲荷様」と呼ばれ、広く信仰を集めています。
よく狐が「お稲荷様」と呼ばれていますが、お稲荷様は本来は狐のことではなく、宇迦之御魂大神自身のことです。
狐は宇迦之御魂大神の眷属(けんぞく)、つまり神様の使いだと考えられています。

佐田彦大神(さたひこのおおかみ)

「導きの神」とされる神で、伏見稲荷本殿の中社(北座)に祀られています。伏見稲荷大社では交通安全・道中安全を司る神です。

大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)

宮殿の平安を守る女神とされ、伏見稲荷本殿の上社(南座)に祀られています。調和を司ることから、接客業の神や、家内安全などの神とも考えられています。

田中大神(たなかのおおかみ)

伏見稲荷本殿の下社摂社(最北座)に祀られています。
残念ながら由緒がはっきり分かっていません。伏見稲荷大社では「稲荷神と何らかの深い関わりがある地主神」とされ、その名のとおり田の神と考えられていますが、多くは謎につつまれています。

四大神(しのおおかみ)

伏見稲荷本殿の中社摂社(最南座)に祀られています。こちらも田中大神と同じく謎に包まれており、四大神というのが4柱の神を総称した名前なのか、1柱の神の名前なのかも分かっていません。
宇迦之御魂大神となんらかの関係のある神であり、四季を表す神とも考えられています。

3. 豊臣秀吉の母の病気を治すほどパワフル

大きな鳥居の先に立つ楼門は、天正17年(1589)に豊臣秀吉が母の大政所(おおまんどころ)の病気平癒祈願の御礼に造営したもの。
高さはおおよそ14mと、神社の楼門の規模としては最大級の大きさです。

豊臣秀吉は、戦国時代に天下統一を成し遂げた伝説的な武将。
しかし、その強さの裏には母への深い愛情がありました。
秀吉は、母の回復を願い、伏見稲荷大社に祈りを捧げたと言われています。

伏見稲荷の神様は、五穀豊穣や商売繁盛だけでなく、個人の願いにも力を与えるとされる強力な存在。その神様に秀吉の真剣な祈りが通じたのか、母親は奇跡的に回復したと言われています。
このエピソードからも、伏見稲荷が持つスピリチュアルなパワーがどれほど強大であるかがわかります。

戦乱の時代を生き抜いた秀吉も、その大いなる力に頼ったことでしょう。
母への思いと神の力が結びついたこのエピソードは、伏見稲荷がパワースポットとして多くの人々に愛される理由のひとつです。

狐がくわえている物は何?

楼門に向かって左の狐がくわえている物は鍵、右の狐は玉。
伏見稲荷には、玉鍵信仰があります。
玉と鍵は一対。「陰と陽」のように、万物を表しているとも考えられているのです。
また、花火を打ち上げる際の「たまやー」「かぎやー」という掛け声は、伏見稲荷の狐が玉と鍵を持っていることから由来した屋号だと言われています。

伏見稲荷大社は五穀豊穣を祈願することから、鍵は穀物倉庫の鍵とも言われています。

伏見稲荷大社の境内にはたくさんの狐の像があります。他にも稲や巻物をくわえている像があり、巻物は知恵の象徴とも言われています。

4.千本鳥居は願いを叶えた人たちからの感謝

千本鳥居は、伏見稲荷大社を代表する最大のパワースポット。訪日外国人観光客からも圧倒的な人気をの場所です。
フォトジェニックな美しさはもちろん、その歴史やスピリチュアルな背景も多くの人々を惹きつけています。

千本鳥居の起源は江戸時代にまでさかのぼり、「願いが叶ったお礼」として奉納が始まったと言われています。
「千本」という名前は「たくさん」という意味を象徴しており、実際には10,000を超える鳥居が連なっています。この無数の鳥居は、数え切れないほどの人々の願いが叶えられた証でもあります。
叶えたい願いがある方にとって絶好のスポットです。鳥居をくぐりながら、自分の願いを心の中で念じると、多くの祈りや感謝の力を感じることができるかもしれません。


最強パワースポットの紹介

奥社奉拝所までが一般的な観光ルートです。この先にもパワースポットがたくさんあります。順にご紹介しましょう。

1.熊鷹社まで

おもかる石

奥社奉拝所にはおもかる石があり、運だめしはいかがでしょうか。
石を持ち上げた際に、石が思っていたよりも軽ければ願いが叶う日が近く、石が思っていたよりも重ければ願いが叶う日は遠いとされています。

私が持ち上げたときは予想以上に「重かった」です(笑)。
実際はかなり重いと思っていただいたほうがよいでしょう。

ゲスト様からも「願いを叶えるのは大変ね」と言われました。
この心持ちで頑張りなさい、という神様からの厳しいメッセージだと解釈しています。
気を引き締めながら行動すると、願いは面白いほど叶っていきます。
軽いと思った人ほど注意が必要なのかもしれませんね。

根上がりの松

根上がりの松は、その名の通り根が地上に持ち上がっている松です。
日本人は語呂合わせが好きですから、「根上がり」は「値上がり」。
上がって嬉しい値は、「株価」ですね。
金融関係の企業の方や投資家が訪れる場所としても有名です。

またこの木の形が膝を立てているように見えることから、膝松さん、の愛称もあります。
木の下をくぐると膝の痛みが治ると言われています。

谺ヶ池(こだまがいけ)(新池)

谺ヶ池(こだまがいけ)と呼ばれる池に着きました。
緑の池の色は人々の思いが詰まっているからと言われています。
この池に向かって手をうつとコダマが返ってきます。その方向に自分の幸せや探している人がいると言われています。

コダマが返ってくるのが早いと自分の願いが早くかない、遅いと叶うのが遅くなるとも言われています。

池の周りには「お塚」がたくさん見られます。
お塚とは大小さまざまな石に個別に信仰する神名を刻んで稲荷山に建立したものです。
その数は1万基と言われています。
このお塚信仰は平安時代から始まったもので、非常に古くから稲荷山を大切にされていたことがわかります。

熊鷹社

熊鷹社には、羽白熊鷹(はじろくまたか)という鷹の神が祀られています。たくさんのロウソクの炎が奉納され、落ち着いた雰囲気に包まれています。

この場所は新池と合わせて、人探しの願掛けをする場所として有名です。
また、熊鷹社単体には、勝負ごとに関してのご利益があるとされています。

時間があるときはここまでゲストをお連れし、「この場所に連れてきてくれてありがとう」と感謝されたこともあります。
タイムスケジュールやその日のお疲れの具合にもよりますが、
本来神社がもつ自然のエネルギーや古の人々の思いを感じていただくには良い場所だと思っています。

2.お山参りツアー

ここからが本ツアーのメインイベント、「お山参り」です。
今から1,000年前に清少納言が「枕草子」の中でも「お山参り」をする様子が描かれています。
ここから稲荷山を一周し、七神蹟と呼ばれるスピリチュアルスポットを巡ります。
登りがきつくなりますが、頂上まであと少しです。しっかり休憩をとってから進みましょう。

眼力社

その名の通り目に関するご利益が期待でき、眼病の治癒や視力回復などが期待できます。
「先見の明」や「先を見抜く力」に関するご利益もあるとされており、投資をされている方や、結婚を控えている方などからも人気のパワースポットです。

竹を咥えて逆立ちした狐の像があり、狐の目を撫でると目の病気が治るとの言い伝えもされています。竹の筒の先から水が流れていますね。

向かいにある茶店では「謙虚と感謝」など、心に響くことばが書いてある携帯ストラップなどが売っていて人気があります。

薬力社・おせき社

薬力社には、薬力大神(やくりきのおおかみ)という薬の神が祀られています。
清浄な雰囲気で、スピリチュアルな雰囲気を感じられるスポットです。

となりにあるおせき社には、咳・のどに霊験があるとされる神様が祀られています。

このあたりは伏見稲荷大社の健康エリアとも言えるでしょう。この場所からは湧き水が流れ出ており、湧き水を飲むと健康で長生きができるとされています。
またそれ以外にも、無病息災や製薬関係の仕事運の向上などのご利益のあるパワースポットだと考えられているようです。

御劔社(みつるぎしゃ)

御劔社には加茂玉依姫(かもたまよりひめ)が祀られています。
劔石(雷石)と呼ばれる巨大な石が存在しており、山上古図にも記されています。
「焼刃の水」と呼ばれる井戸があり、謡曲などでよく知られる三条小鍛冶宗近がこの水を使って、名刀「小狐丸」を作ったという伝説があります。刀匠など、金属加工に関するご利益を求める方が訪れるようです。
乳飲み子を抱えている珍しい狛犬の像があります。是非探してみてください。

一の峰(上社神蹟)

標高233メートルの最高峰に到着しました。お疲れ様でした!
ここに祀られているのは末広大神といい、別名をアメノウズメといいます。
古事記の中で、天の岩戸に隠れた天照大神を華麗な踊りで誘い出して世界に光を戻したことで有名な芸事の神様です。
芸能関係に関わる方は是非お参りしてみてください。

二の峰(中社神蹟)

青木大神が祀られ、別名佐田彦大神とも呼ばれている「道開きの神」として有名です。
厳しい気性ですが、情に厚い神さまが、新しいことを始める方、何かの壁に当たって悩む人の味方になってくれます。

三の峰(下社神蹟)

祀られている白菊大神は、伏見稲荷大社の主祭神、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)と同一視されています。
豊作と商売繁盛の神様として崇拝されています。

3.三ツ辻からの帰り道

お産場稲荷

その名の通り安産に関するご利益があるとされるパワースポットです。
ただし、お産場稲荷の社はほかとは形も参拝方法も違うため、訪れる際は注意しましょう。

社は盛り上がった台座の上に祠が建てられ、ほかの社とは異なる雰囲気が特徴です。台座の側面には、狐穴とされる穴が12個空いており、それぞれ1月から12月の月が割り振られています。子どもの出産予定月の巣穴に向かって参拝をすることで、安産のご利益があるとされています。

また、参拝をした方が無事に出産ができたら、お産場稲荷に報告するためのお礼参りを行うとよいでしょう。

ランチ&ティータイム

神社境内

竹屋

新池の近く。250年前からあるお茶屋。伝統の五福餅とお抹茶が頂けます。

にしむら亭

四ツ辻にあるにしむら亭ではうどん、丼もの、いなり寿司やソフトクリーム、わらび餅などのスイーツがいただけます。景色を楽しみながら山頂までに一度ゆっくりとお休みください。

奥村亭

田中社の近く。稲荷山唯一のポストがあり、ここから投函すると伏見稲荷の風景印を押してもらえます。

参道茶屋

裏参道にある赤い和傘が目印のお店。パフェ、ぜんざい、わらび餅などのスイーツや自社製造の甘酒、水あめも販売されています。

Cafe Vermillion

三ツ辻からの帰り道に本格コーヒー、エスプレッソが頂けるお洒落カフェ。八嶋ヶ池をのぞむテラス席でゆったりとした時間を過ごすことができます。
ランチメニューも充実していて、ヴィ―ガンメニューもあります。

稲荷茶寮

隣は無料休憩所、お庭を眺めながらテラス席でスイーツが楽しめます。

神社周辺

道八

伏見稲荷神社の近くに位置し、コシのあるうどんと甘くジューシーなお揚げが特徴。
地元の人々にも愛されるこの店では、スイーツも楽しめます。

けんどん屋

手打ちうどんのお店で、店内ではうどんの手打ちを見ることができます。観光客に人気があり、季節限定のメニューも提供されています。

可乃古

自家製湯がき立てのそばを、和の趣のある空間で。手作りハンバーグなども人気です。

懐石カフェ 蛙吉

季節ごとの創作料理や美味しいコーヒーとケーキが楽しめるお店です。店内は蛙の小物で飾られており、雑貨も並んでいて見ていて楽しい雰囲気です。事前予約がおすすめ。

炭焼鰻 土井活鰻

炭焼にこだわり、ふっくらした肉厚の上質な鰻が絶品。うな重並 3000円から。

稲福

大正5年創業。稲荷名物のすずめとうずらの焼鳥・いなり寿司がある。

まとめ

伏見稲荷大社のお山参りは、古くから信仰を集め、多くの人々に癒しとエネルギーを与えてきた特別な場所です。
観光客が賑わう千本鳥居を抜け、静かな山道をゆっくりと歩いてみると、スピリチュアルな空気に包まれ、心が自然と浄化されていくのを感じられるでしょう。

駅からのアクセスの良さや、フォトジェニックなスポットとしての魅力が注目されがちですが、この神社の本質は、自然と調和した神聖な存在そのもの。
千年以上にわたる歴史の中で、伏見稲荷大社は人々の願いや思いに寄り添い続け、温かみのある神様として信仰を集めてきました。
その優しさに触れることで、日常の疲れを癒し、新たな力を得ることができるはずです。

ぜひ伏見稲荷大社を訪れ、自然と歴史に彩られた特別な時間をお過ごしください。
一歩一歩ゆっくりと歩くその時間が、あなたにとって心身のリセットとなり、新たな一歩を後押ししてくれることでしょう。

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この記事を書いた人

通訳ガイド/オンライン講師のパラレルキャリア

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